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さくらワークスで石巻ランチ会

久々、かつ、今更の更新となります。
4月16日月曜日、昨年石巻の花見で知り合った友人の共同オフィスでもある、さくらワークスにお邪魔してきました。石巻産の食べ物をいただく「ランチ会」があるというので。

主催していたのは、K2インターナショナル(本部/横浜市磯子区)。
運営者の岩本真実さんは、ニートやひきこもりなど、自立に悩む若者たちを支援していた。震災のあった昨年4月、宮城県石巻市への復興支援活動にK2で支援を受ける若者といっしょに参加した。この時、支援される側にいた人が、支援する側になるという体験をしたという。ランチ会は、このK2の活動を知らせるものだった。


K2では、震災後の昨年4月より石巻への支援活動に参加。現在、渡波地区にK2ハウスをもうけ、長期滞在しながら、がれき撤去や地域の御用聞きなどで、仮設住宅や老人ホーム、小学校等に訪問し、交流、就労体験などを通じて人と人のつながりを求めた活動を行なっている。

この日、さくらワークスを訪れていたのは、ソーシャルビジネスに関心のある人々や市役所を退職したプチ市民活動家など。昼休みの時間帯でもあり、地元の人々が多く集まっていた。
ランチ会であって、石巻の食材で作られたお弁当やお寿司がたくさんならんでいて、会費は800円。40人くらいの参加者が思い思いに手を伸ばし、おなかを満たしていた。K2の利用者らしき人にはあえなかったが、石巻に創刊されるという石巻経済新聞の記者をするというライターの方にお目にかかった。石巻の出身である。

K2インターナショナルの「石巻復興+若者支援プロジェクト」は、人と人の一過性でないつながりを求めてこれからも続けられるとのこと。

石巻震災復興×若者支援プロジェクト
http://nw.k2-inter.com/ishinomaki/


・・・と、ただ石巻のランチにありつこうと潜りこんだところが、東京新聞さんも取材していたようで、新聞に使われた写真に写ってしまった(汗)。。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20120417/CK2012041702000113.html
# by sasanoel | 2012-04-20 21:08 | 横浜 | Trackback | Comments(0)
まだ終わっていない、福島の動物たちの避難生活
以下は、先日、一時帰国し、福島を訪れたアメリカの田中綾子さんからの記事と写真。

震災から1年。当時は人間と同じくペットを探せ!という話題もあった。各地にも獣医師会などが中心となって立った救援本部があり、シェルターも設置されていた。
幸いなことに、宮城や岩手の本部は解散するまでに至り、動物たちは次の行先を見つけていった。(譲渡、民間団体への移動、里親など)そして残った仕事は飼い主探しといったところである。
しかし、一か所だけ、いまだに動物たちがシェルター暮らしを続けている県がある。それは、原発により被災した、福島県。
福島県には福島県動物救護本部(福島県、郡山市、いわき市、(社)福島県獣医師会、福島県動物愛護ボランティア会により構成)が災害発生当初よりたっており、被災動物の受け入れを続けている。
http://www.pref.fukushima.jp/eisei/saigai/kyuugoindex.htm
現在救護本部のシェルターは2つあり、1つは飯野町、もうひとつは三春町にある。
まず20キロ圏内から動物が救出されてくると、飯野町のシェルターでガイガーカウンターを使って被ばく度を確認。その後、除染と健康チェックをへて、飯野町か三春町のシェルターに収容する。
シェルターには現在、犬(多くは大型犬)と猫が合計約300頭いる。このうち数頭は飼い主不明で保護している状態だが、大半には飼い主がいる。彼らがシェルターにいる理由は、家族が避難先にいるため、ペットを飼育できないためだという。
でも、多くの飼い主は「いつか自宅に戻れるのではないか」という望みを捨てておらず、手放したいとは思わない。また、ペットは「所有物」であるため、勝手にほかの人に引き取ってもらうわけにはいかず、シェルター生活が長期化している。

シェルターでは1頭1頭が少しでも快適に過ごせるよう、工夫がされている。犬は場所のあるかぎりではケージを使わずにたてつけの小屋に住んでいて、寝るスペースと日中を過ごすスペースがしきれるようにもなっている。猫はいわゆる3段ケージのようなかたちで、いくつか部屋の中に段がつくられていて、上り下りをして遊べるようになっている。
それぞれは1頭ずつでくぎられているため、ほかの犬や猫(同じ家族から来た子を除く)とすごしてストレスを感じることもない。
現状ではこれらのスペースに入りきらず、廊下のあいているところにケージをおいて対応している犬猫も数等いる。
犬の運動は散歩か、ドッグランでの遊びで行っている。

彼ら動物たちを通して、家族の声が聞こえてくる。「早く一緒に住みたいよ、おうちに帰りたいね」

あるボランティアに聞いてみた。「どうしてここでボランティアをしているのですか」
答えは次のように帰ってきた。「私はここが地元で、被災しなかったから、同じ福島でも近くで被災した人たちのために少しでも役に立てればと思って。。。」

職員のひとたちの熱意や努力によってこのような施設ができあがっているが、こういう善意もなければ動物たちが生活していくことはできない。

昨年の3月におしよせた善意の波。ボランティアという言葉を聞かない日がなかったのではないかという日常。今でも、必要とされている場所があるということをこのボランティアの声で、痛切に感じた。

震災、いや、「人災」はまだ終わっていない。原発問題が解決されなければ、動物たちも避難生活が続く。今後もボランティアを含め、長期的な支援が必要だ。
# by sasanoel | 2012-03-11 17:01 | 動物・ペット | Trackback | Comments(1)
エネルギー、日本の中立で平和を呼びかけられるのかも
28日に掲載したものの、タイトル、記事を少し修正しました。

なぜロシアのLNG提案を再考しないの?

先日の脱原発世界会議で、弁護士の河合裕行さんは「放射能よりCO2がまし」といいました。確かにと。しかし、実際は日本の電源へのビジョンが混沌としている。環境問題(自然科学に関わること)・エネルギー問題(市民生活に関わること)・人権問題(モラル、生存権にかかわること)・経済問題(既得権益の解消、雇用促進、輸出入などのこと)などが混在しているようにみえる。
戦後の日米関係を引きずる政府への不信をベースに、原発輸出への疑問、8割をこえる脱原発指向、TPPへの疑問など、政府はもっとも見つめ、大切に議論、説得しなければならないはずの国民の声を無視したK.Yな演説ばかりが、連日テレビで報道される。主流なテレビはほとんど国営放送としか思えない。北朝鮮でも中国でも、こんなに国民に浸透した国営放送はないんじゃないか?と冗談ではないが・・・。

311の震災後すぐの、ロシアからのLNG供給の提案は、単純に、ロシアにとっての経済的生存のための好機だったからだと思う。チェルノブイリの事故後の流れを経験しているからさすが早かった。
いま日本の脱原発は、火力発電を推進していきたいけれど、紛争などを理由にロシアの申し出を積極的に検討しているという話はあまり聞かない。そこにきて、アメリカとイランの対立。
日本にとって、イランもロシアも、アメリカの事情でなく日本の脱原発には重要なのでは。

震災発生時のロシアの提案に積極的でなかった理由は、アメリカの「シェールガス」の活用についても検討していたのではないだろうか。ロシアの申し出以外の代替エネルギーの選択肢が他にもあったということでは。

アメリカで1970年代から採取されてきたシェールガスは、すでに水圧破砕法による水源地の水質汚染の現状が報道され、アメリカのエネルギー政策とそこに関わるブッシュ政権時代の人々の利害関係があきらかになった。明らかになったことは伏せておいて、日本では原発に代わる、エネルギー革命と報じられた。
もうシェールガスの選択肢はないと思うが、アメリカの対日本政策は、高度情報化時代の現状も無視して、とりあえず日本に対する主導権を握れるものに対しては握っておくというような話になっているんじゃないだろうか。

1)ロシア
震災後、チェルノブイリを経験したロシアはいち早く日本への手を差し伸べた。ロシアに豊富にあるLNGを提供したいと。しかし、日本は積極的にこの検討を進めているのだろうか?

「ロシアの天然ガスと日本海経済圏 物流急増で成長エンジンに」(2011年12月15日 サンケイビズ/北畑隆生 兵庫県出身・08年経産省事務次退官)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111215/mcb1112150501000-n1.htm

記事にもあるが、本当のところを確かめて、このルートを模索するあらたな電力ベンチャー企業活動があってもいいと思う。リスクの取り方ではないだろうか。政府の理解や支援が少しでもあればいいと思う。

2)イラン
日本は現在、イランから石油のほかにLNGも輸入している。イランからホルムズ海峡をとおる日本行きの燃料タンカーは、1日28隻、うち5席が日本へいく現状(NHKニュース深読み)。
イランと日本の国交関係は正常で、欧米の動きに従いイランからの石油の輸入をやめる理由が欧米に賛同するという理由の他日本にはない。ちなみに中国はイランからの輸入を強め、燃油をめぐって世界を二分しているかのようにいわれるが、ロシアルートを忘れていると思うし、大事なことは、日本が世界を二分する列強の思惑のいずれにも過加担しないことにより、中立による平和を呼びかけることではないだろうか。

いま、脱原発の方策として「放射能よりCO2」を持続可能エネルギーとなるまでの移行期間の代替エネルギーとして採用するため、あらためて石油+天然ガスの確保が必要という話も出ているのかもしれないが、原発を止めるかどうかの問題とリンクさせるまでもなく、イランの石油とLNGがもっとも安定しているし、日本は現状維持できれば十分すぎなのだと思う。


3)アメリカのシェールガスはダメで、結論は?
一方、「エネルギー革命」といわれ、脱原発の方策として浮かび上がったアメリカの「シェールガス」について、池上彰さんも代替エネルギーとして注目していたが、開発過程で生じる水質汚染が、アメリカ全土を襲う公害問題であることを知り、これはいけないと思った。

アメリカ政府は、日本国民のアメリカ依存を増やすことで、実質的な自立を妨げようと必死なのかもしれないが、日本人はアメリカ政府や政策に関連するバイアスを排除して、いまあらためて日本人として自立した考えを示し、世界の中の日本の位置づけを表明できる時期にきている、そうしなければいけないのでは?と思う。

まだほかにも天然ガスや石油のルートはあるのかもしれないが、石油ルートのメインはイランでいいと思うし、脱原発の方策としてLNGを増やすルートはロシアでよいと思う。いずれはどちらの資源も減らしていき、再生可能ネルギーの開発に移行していくことと思う。

TPPに参加するのかどうかは、あやしげな公益団体や政府が推進するのを見ていると心配で、実際のところはよくわからない。というか、勉強が必要。

上記は、昨日から今日までに考えたこと。
最近知ったことをおおざっぱに書き連ねているだけで、ひとつひとつについてはこれから調べていけたらと思う。

<参考>
BSドキュメンタリー「ガスランド〜アメリカ 水汚染の実態」
自然エネルギーとして原発(核)に代わると池上彰も注目していた「シェールガス」の水質汚染に関する実態に関する驚くべき報告を見た。2010年イギリスの制作、日本では同年12月に放送され、11年7月と12年1月に再放送されている。

<番組のあらすじ>
「ガスランド~アメリカ 水汚染の実態(前編)」
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/101213.html

「ガスランド~アメリカ 水汚染の実態(後編)」
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/101214.html


「シェールガス」の採掘地で水圧破砕法(フラッキング)よっておきる水質汚染で、アメリカの多くの水源が失われている。アメリカでは多くの家庭の水道水に火がつき、それを水を飲んでいた人々に深刻な健康被害が起きている。
それなのに、2005年にはブッシュ政権のチェイニー副大統領は「エネルギー政策法」で、シェールガスの開発を「水質浄化法(1972)」・「安全飲料水法(1974)」の対象外とした。チェイニー副大統領は、95年から2000年までシェールガスの大手開発会社ハリバートン社の元代表取締役、その後も筆頭株主。彼のことをウィキペディアでみると、彼のリバートン社在任中に同社は湾岸戦争とイラク戦争で大きな利益を得ていることが書かれている。
# by sasanoel | 2012-01-29 11:35 | 原発・エネルギー | Trackback | Comments(0)
撤去要求の日を迎えた、経産省テント前ひろば
1月27日(金)17時に撤去が予告された、経済産業省前の原発反対の抗議テントは、昨年9月11日の経産省包囲をきっかけに、4ヶ月にわたり設置されてきた。同日、17時前後、テント活動を支援する市民700人の人々が集まり、活動者たちの声を聞いた。

現地へ行けなかったが、中継で記者会見と集会を観た。
署名をすることだけで終わらせることができないと感じた人々が、集まった。


<参加者>
最終発表時の参加者、750名
終了時の中継視聴者 
 ・IWJ 5200人
 ・ニコニコ動画 29500人
(ライブで参加した人の合計 35450人)

120127経産省前テントひろば撤去反対集会(IWJ)
http://www.ustream.tv/recorded/20033948

120127経産省前テントひろば記者会見 (IWJ)
http://www.ustream.tv/recorded/20031597

経産省前テントひろばHP
http://tentohiroba.tumblr.com/


以下、テント前で話す市民の声を抜粋。

80歳の佐久間さん
2月11日で満81歳、横浜在住。集まった人々に、つぎのような活動の経緯を話した。
「私は、雇用に関する国政への交渉25年間戦いを続けてきた。政府はお金より雇用が大事といったが、雇用は増えず、もう25年間雇用できない。
1945年の敗戦で、8月15日を境に、いままで軍国主義をやっていたのを今日から軍国主義が悪いんだと、教師には何も反省がない。こういう大人にはなりたくないと思った。組織がどうのではない。一人一人が人間らしく生きていくために訴えている」という。

福島県浪江町の酪農家・吉沢さん
吉沢さんは、300等の牛を飼っている。原発から14キロ地点で、和牛を飼い、原発の爆発音を2回聞いた。
3月17日、東電に乗り込んで抗議行動をした。「ぼくの牧場の牛は放射能被爆して売れない。自衛隊や消防庁にまかせて、なんで東電は逃げることができるのか」と話す。
また、「この牛たちを生かしながら、被爆の研究をすればいい。生きた牛が、双葉町や福島の復興に役立つと信じている」と話し、原発の再稼働反対を求めている

‪浪江町酪農家300頭の牛を守る‬
http://www.youtube.com/watch?v=YQ63L1SLuuc

浪江酪農家「決死救命」の決意
http://www.youtube.com/watch?v=d71Nm8zWaqw


最年少の参加者
さまざまな子ども市民の活動のリーダー、中学生代表の富樫泰良(とがしたいら)君、15歳。
「私は、こどもの権利条約について、国会議員の人への授業をやりました。こどもがもっと声をあげられる社会をめざして。選挙権のあるみなさんにお願いします。つぎの選挙では、ぜったいに同じことを繰り返さないでください。ひとりひとりの未来を守ってください。これからのこどもだちも、負担を負いますが、これからも一緒に頑張っていきましょう」と堂々と演説した。

富樫君のホームページ「Club World Peace Japan」
http://togashi.jimdo.com/


オキュパイ・トウキョウの実行委員、松永さん
アメリカのNYウォール街デモ・日本版の取材メンバーで集まり、昨年末から今年のアタマにかけて経産省前テント広場を借りて、インターネットで反原発活動の中継を行ってきた。
ニューヨークのウォール街デモは、公園を占拠して行われたが、日本ではこの経産省テント前ひろばで行われ、オキュパイ東京は連携してイベントをした。反原発は、日本だけでなく、世界中で応援してくれている。
オキュパイ・トウキョウHP
http://occupytokyo.org/ja/forum/index

反原発民主法定より、矢野さん
「警察が撤去するのは許さないとここにきた。福島の45パーセントの人が被爆、たくさんの人が死んでいる。被害をうけたのは人間だけではない。動植物が汚染されている。このような甚大な被害に対し、東電や政府の刑事責任は問われないということでいいのか。
検察に告発しているが、本当にこれらの刑事告発をうけて起訴するでしょうか。JR西日本の裁判で検察は控訴もしないで西日本の社長を無罪にしました。東電や政府の刑事責任はどう追求され、裁かれるのか。権力があるもの資本のあるものが罪を免れていいはずがありません」

原発犯罪を問う民衆法廷の呼びかけ(ちきゅう座・松元保昭さん)
http://chikyuza.net/n/archives/17573


80代の女性、斉藤さん
斉藤さんは経産省前テントに常駐している。この集会の最後のスピーカーとして話した。
「わたしたちは被爆国であるにもかかわらず、世界最大の核爆発事故をおこしてしまいました。中曽根さんは、(読売新聞の)正力松太郎というっしょに原発をもちこみました。原発がなければ、原爆はつくれない。30キロ(圏)とはなにごとか、80キロ(圏)でも足りない。四国の山の奥からもホットスポットが見つかっている。わたしたち一人一人の戦いです」


シュプレヒコールは、事務局の女性が先導を努めた。

「引き続きテントを守り抜く戦いをしましょう。緊張と消耗が狙いと思います。原発がすべて泊まるまでたたかいましょう」

すべての原発をいますぐとめろ
経産省前テントの撤去をゆるさない
こどもたちの命をまもれ
わたしたちの暮らしをかえせ!

げんぱついらない
テントをまもろう
ふくしまかえせ
ふくしまだますな
さいかどうやめろ
いますぐとめろ
憲法まもろう
みらいをつなごう
みらいをまもろう
核はいらない
ふくしまなめるな
わたしたちをなめるな
いますぐとめろ
こどもをまもろう
みらいをかえせ
いのちをかえせ
ふるさとかえせ
すべての原発、いますぐ廃炉
のこりは三基
電力足りてる
政府のうそつき
もうこれいじょうがまんは限界
だまってられるか



テント撤去のために経産省の人々は姿を見せることがなかった。
ニコニコ動画へは、集会をからかうヤジがものすごい勢いで書き込まれていた。
国会中継(NHK)で衆議院本会議場で代表質問が行われていた。
マスメディアはこの集会を中継せず、19時のニュース等でも報じなかった。
ニコニコ動画やIWJなどおなじみの中継メディア、市民らによるiPhone中継が行われた。
撤去されるのかを現地に集まった750人+ライブ視聴34700人が見守った。
多くの反原発の活動家、福島市民、弁護士、ジャーナリスト、テント関係者が演説を行い、シュプレヒコールをあげた。
右翼がスピーチを妨害していた。
# by sasanoel | 2012-01-27 19:46 | 原発・エネルギー | Trackback | Comments(0)
老女の奮闘。ポーランドから尊厳のある食事とは? 「暖かいスープを召し上がれ」
ポーランドでミルクバー(低所得者向けのレストラン)を経営している老女・ダヌータのNHKドキュメンタリー「暖かいスープを召し上がれ」(制作・スウェーデン)を観た。彼女は、「人は誰でもきれいな店で美味しいものを食べたいと、それが人の尊厳のある食事だ」と。
ポーランドでも、ファーストフード店は大人気で次々と増えている。
マクドナルドのようなフランチャイズ店、スタンディングの食事はニューヨークや東京では忙しいビジネスマンのおやつ、補助的な食事だが、低価格であるゆえに、一方で、低所得者層に高カロリーで偏った貧しい食事として、経済的にギリギリの生活をしている貧困層に主食としても提供される。

東日本大震災で、山崎パンが提供したパンやおにぎりは、非常時をしのぐための配給だったが、6ヶ月も食べていかなくてはならなかった被災者から、炊き出しのあり難さを何度も聞いた。誰も山崎パンを憎んだりはしないし、感謝しているとおもう。でも、毎日は厳しい。それは配給をした山崎パンの従業員、配達した佐川急便のドライバーはおそらくよく分かっただろうと思う。でもこれは、炊き出しやスローフードが上質で、ファーストフードがいけないといった単純なことを言いたいのではもちろんない。ミルクバーの経営者、ダヌータが言うように、「尊厳のある食事」が大事だからだと思う。

1日400人が食事するダヌータの店は、運営費の4割を補助金でまかなっているが、ポーランド政府はその補助金をカットすることを考えていて、つねに経営危機にみまわれている。しかも補助金をもらっているために、仕入れ値を店側でつけることができないそうだ。ダヌークと同年代の経理担当者は、仕入れ値の変化で毎日メニューの値段を調整している。

余裕がある人は、人が生きるために必要な支援についてあれこれ考えるが、必要な支援を考えるためにも、いま何がおきているのかを実際に知らなくてはならないだろうと思う。もし一人でも政府にそういう人がいれば、1日400人もの低所得者が利用するダヌータの店の補助金を切ろうなどと言い出す役人はいなくなるはずだ。

そして、いまこうしてテレビで世界中のドキュメンタリーを観ることができるが、このような食事に関する問題は、ポーランドで起きためずらしいことではないと思う。
ミルクバーのような低所得者向けのレストランは、横浜には港や寿町にもある。そこでは、母の味といえるような昔ながらの食事が出されるため、地元の労働者もランチなどで利用する。寿町はかつて労働者の街だが、いまは地域全体が低所得、単身の高齢者の街で、食堂も一般の労働者はほとんど利用しない。寿町は街全体が福祉と福祉の担い手などで支えられている。
世界で、低所得者がさまざまな境遇のなかで生きているが、誰にもあたたかな、ぬくもりを感じる食事がより重要なこと。その価値を低所得層や、今回東北で被災した人々は経験して知る。そして、日本人の多くは、明日の食べ物に苦労することがなかったが、震災により隣人が非常事態に陥ったことで、食事の質(栄養だけでなくいろいろだが)の大切さを、多くの人が知り考える機会にもなった。

また、日本は平和ボケといわれるが、日本だけではない。日本がお手本とする多くの先進国と言われる国々で、気づかないうちに、本当に豊かで大切な食事も失われつつある。何も考えなくてもいいものが目の前にあった時代はとうに過ぎている。ファーストフード店が流行る社会ではなく、ミルクバーが必要なのに。


このドキュメンタリーは、1月25日まで、NHKオンデマンドで観ることができる。
http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/081006.html
# by sasanoel | 2012-01-20 13:26 | ドキュメンタリー | Trackback | Comments(2)
石巻の反原発家・日下郁郎さんの写真展

2011年の福島原発災害をうけて、2012年の始まりに緊急開催された「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」は、1万1500人の来場者、20カ国から50名のゲストを迎え、国内外の市民活動による思い思いのもちこみ企画が100団体から披露され会場を埋め尽くしたていた。また国内約140社・海外約40社のメディアが取材した。
事前の情報はホームページ、メーリングリスト、ツイッターなどのソーシャルメディアを使って行われ、会議の中継は横浜市民放送局、OurPlanetTVなど、市民メディアが担った。

弁護士の河合裕行さんは、15日のメインホールでの原子力資料情報室主催の集会で次のように訴えていた。
「これまでの日本の54基の全国の原発に関して、再度、全て差し止め訴訟を起こしてください。311以降は、原告がいっていたことが本当になった、真剣にむきあおうと裁判官が真剣に話をきいています。
世界平均の100倍の率で地震が発生する日本は、原発を止めたドイツに比べ原発の危険性も100倍。CO2と放射能とどっちが嫌か、考えてみて欲しい。「脱原発依存」しながらゆっくり自然エネルギー社会をめざすなんて優調なことではダメです。明日事故おきたらどうしますか? 浜岡が再稼働して、東海地震おきたらどうしますか? 日本の原発はいま止めるべきだ」

震源により近い、女川原発周辺の市民活動を知る写真展
当然のことながらフクシマ一色のイベントだが、311の震源に近い女川原発がどうなったのか、そして女川原発を擁する石巻・女川の反原発の市民は、何を言おうとしているのかに目をむけてみることは、原発問題の全体をみるとき重要な視点だと思う。

福島の事故で電源喪失や放射能漏れ、メルトダウンといった深刻な事態を招いた、震災直後の原因が津波によるのか地震によるのかの議論があるが、いずれも過去の原発裁判で指摘され、何度も想定されていた備えを怠ったための人災であることは間違いない。どれだけ電源喪失に備えても、高い堤防を築いても、それを上回る災害はいつ起こるかもしれない。
「女川は無事だった」という報道のみなされたが、それが印象づいてしまうことはこれからの防災を考えるとき、とても危険な感覚として残ってしまう。実際は、港から400メートルのところにあった県原子力センターも、国の災害対策施設(オフサイトセンター)も、そして放射線量を観測するために牡鹿半島全域にいくつも設置されていたモニタリングステーションも流され、使用できなくなっていた。多くの原発システムが機能しなくなり、事故から1年が過ぎようと言う現在もそのままだ。

石巻に住む反原発の活動家・日下郁郎さんの自宅は被害をまぬがれたが、地震による津波で漁村や港に近いところに住む親戚を4人もなくしていた。
女川原発建設反対の原告団として裁判に負けてからも、防災計画の策定に関わり、原発に反対する活動を続けて来た。日下さんが伝える写真展がメインホール入り口付近の小さなスペースで行われた。

展示された写真は、311後に自転車で女川へ行き、震源に最も近いところにある原発施設の津波被害の状況をはじめ、津波に傷つけられた街や浜々、人々のいとなみの多くが流された記録である。

忘れたいこと、受け入れがたい風景に背をむけず、メディアが伝えなかったこと、覚えておかなくてはならないことを伝えようと、撮っていた写真をようやく見つめ直しての被災地からの大切なメッセージだった。

東日本大震災後はじめての脱原発の国際会議の主役はフクシマだったが、地震・津波について考えるとき、やはり忘れてはいけない視点だろうと思われる。311後、震源に近い女川原発が真っ先に心配されたように、日本の多くの沿海の地にある反原発活動として、日下さんたち石巻・女川の人々の津波による被害は、これからも伝えていかなくてはならないと思った。


写真:写真展「3.11の津波で崩壊した女川原発の放射能・放射線監視システム」を企画した原子力発電を考える石巻市民の会の人々。中央・日下郁郎さん、左・近藤武文さん
# by sasanoel | 2012-01-19 13:54 | 石巻・女川 | Trackback | Comments(0)
脱原発世界会議、その2 日下さんの写真展で会いましょう
年末から、世界原発会議にもちこみ企画で参加する、石巻の原発反対の活動家・日下郁郎氏の写真展のお手伝いをしていました。昨日、写真出力をしましたが、ようやく日下さんの言いたいことを展示できるようになったのかなと思えて来ましたので、こちらにもお知らせしたいと思いました。

「福島第一原発の放射能漏れに関する原因は、津波と言われてきたが、本当は地震によるものたった」ということは、ずいぶんまえから反原発の人々の中で叫ばれてきました。わたしも、このことを問いただす院内集会も見て、原子力保安院や原子力安全委員会の方々が言葉に困っている様子をこのブログでもお伝えしたことがあります。

そのように、いま、反原発の人々の中では「福島地震説」を明るみにしようという動きがあるのに、今回の展示はあえて「津波」をいうことを言おうとしています。

女川原発は、東日本大震災の震源の地域、石巻市と女川町にまたがって立地していますが、原子炉施設のダメージはなかったと伝えられています。しかし、実際は、原発から8キロ、海岸から400mのところにある、宮城県原子力センターとオフサイトセンターは壊滅、牡鹿半島に点在するモニタリングポストも大半が流されていました。

世界に目をむければ、津波も地震も、東日本大震災をはるかに超える規模の災害が起きています。スマトラ沖地震では東日本大震災の10倍もの被害者を出しているということです。日本でも、今後、もっと大きな津波も地震もないとはいえることはありません。
反原発世界会議と、「原子力ムラ」という言葉や存在に対して、「反原子力ムラ」をつくっても仕方ないのだろうと思うし、人間の都合の文脈などは、防災を考えるうえでもっとも考慮してはいけないものなのだろうと思います。

石巻・女川に住む人々と、地域で反原発の活動を続けて来た日下さんは、311の津波で4人もの近しい人の命を奪われました。長年の反原発の活動に揺らぎはないと言っていますが、いま、これからの活動をあらたなものに変えていく大きな力にはなったのではないでしょうか。それは、どんな言葉にできるのでしょうか。まだできずにいるのかもしれません。

震源の地で、原発事故には至らなかった巨大津波ですが、その猛威は、原発関連施設の多くを、石巻・女川の浜浜同様に破壊へと導きました。その惨状と、当地の人である日下さんの心境をこの写真展は伝えてくれるものと思います。

ぜひ、パシフィコ横浜へ、日下さんの展示を見に来てください。

お知らせがギリギリとなってしまいましたこと、また、現時点でもなおどのような写真展になるか、お手伝いした私自身もはっきりとはお伝えできませんことを、お詫びいたします。

会場でお目にかかれる方がおられましたら、ぜひご連絡くださいますようお願い申し上げます。
# by sasanoel | 2012-01-13 09:25 | 横浜 | Trackback | Comments(0)
脱原発世界会議、パシフィコ横浜であいましょう!
本業の活動(障害者のスポーツを知り・知らせるNPO団体)で、ここ1ヶ月の投稿ができなかった。とは言い訳で、いつもバタバタしていることにかわりはない。この間も、わたしにとって重要な時間だった。

「日本は長い過渡期を迎えている、そこに立ち会っている」と、2011年12月16日、夕暮れの早稲田でお会いした野中さんは言っていた。ただひとに会う時間に、力をもらえる。もちろん相手にもよるけれど。
いまは私自身の心も大きな過渡期にあると思う。不意にそうなってきたのではなく、もともとテーマにしていたこと、知りたい、知らせるということを、311後はより考えるようになった。

このブログをつくってみたけど、知らなくてはいけないことがたくさんで、理解が追いつかない。大事なこと、難しいことをそのまま書いてみたり。書けないからと、気にして途方に暮れているうちに、あらたに気になることもおこり、どんどん深刻になっていく気がする。

わたしはこれまで、まわりの人に支えられて、その中心にちいさな自分を立たせて、未知なところへ歩かせているという感覚があった。もし方向を間違って、逃げるとすると、支えてくれたひとたちも、一緒につれていくことになってしまう。責任重大なのだ。
吹けば飛んでいってしまうほどの小さな活動を数人でやってきたにすぎないけれども、けして、ひとりではできなかった。
ごめんというべきなのか、ありがとうというべきなのかはいずれにしろ説明つかないけど、きまっている。

(さて、今日はわたしの誕生日で、朝からちょこちょこメールや電話をいただいて嬉しい。年が増えるということ以外は・・汗。ありがとうございます。)

タイトルとぜんぜん関係ないことを書いているけれども、そろそろ本題に。

来年1月13と14の週末、パシフィコ横浜で脱原発の世界会議がある。
大きな会場を、市民団体6団体が借りて、全国の市民に参加を呼びかけている。主催団体が用意する10人のキーパーソンによる基調講演のほか、東北を中心に、原発立地県などの反原発の活動家らの「もちこみ企画」で約100団体が参加する。市民団体どうしの横のつながりによる、ひとりひとりの市民に対する発信がメインの、国際イベントだ。

ジャーナリストが大切と思う一方で、日本ではもう媒体が権力に押さえられているため、ジャーナリズムは機能不全に陥っていると思う。市民は、自分たちの目で確かめ、隣人と話しあい、自分たちのことをきめていく時代なのだろうと思う。


開催に関する記者会見は、12月22日に神奈川県庁舎で行われた。
「2012年の冒頭で行いたい。国際会議をやるには時間がないと思ったが、2012年をどうやって希望をもてるか考えるにはこの時期がよいと思った。
場所は、東北で開催するのか、関東でやるのか検討したが、東北ではまだ国際会議をやる状況が整わない。やるからには社会的にも政治的にも大きな意義をつたえたい。それで、パフィコ横浜にした。首都圏の中ではもっとも国際会議場としてすぐれているし、世界の港とつながっている」

国際会議というが、多くの地元の人々に気軽に参加してもらえたらいいと思う。これまで、テレビのインタビューコメントなどでしか見てこなかった福島の放射能の怖さや、東北の被災地の人々の生々しい声と交流する機会になると思う。テレビや雑誌の中の世界ではないことが、よくわかると思う。

自分たちの生活の中ではそんなことは起きないと思っているわたしのお母さん、、とくにあなたに。
# by sasanoel | 2011-12-24 17:10 | 横浜 | Trackback | Comments(0)
大間原発計画に関する記者会見〜「あさこはうす」小笠原厚子氏、ルポライター・鎌田慧氏〜
11月25日、自由報道協会主催の記者会見で、青森県下北郡大間町に建設中の大間原発に親子2代で反対しつづけてきた小笠原厚子氏と、取材にあたってきたジャーナリストの鎌田慧氏が発言を行なった。二人の反原発家の言葉と、質疑応答の一部を紹介したい。

この記事は、ユーストリームのライブ配信で記者会見を視聴して書いたもの。
(iwakamiyasumi5 2011/11/25 08:41)
http://www.ustream.tv/recorded/18731291

<参考>
「大間原発の敷地内に立つ「あさこはうす」お金では買えない「宝の海」を次世代に(Actio)
http://actio.gr.jp/2008/12/09094527.html


<記者発表の内容>

スピーカー:あさこはうす・小笠原厚子氏、ルポライター・鎌田慧氏

鎌田慧氏「大間原発をなんとか止めたいとここに来ました。本州の最北端の西の方にある原発で、あまり知られていませんが、311のあと、青森の六ヶ所村や下北半島が知られるようになり(大間原発も)注目されてきたと思います。
小笠原さんのやっている「あさこはうす」は、小笠原さんのお母さん(あさ子さん)が、たった一人で(反原発の姿勢を)守ってきた経緯があります。お母さんは4年前に亡くなりましたが、厚子さんとその兄弟は、お母さんの活動を受け継ぎました。
いまから35年前(1975年)に着工、まだ完成していない。遠隔地や過疎地だから、原発がすぐ作れるというわけではないことの証明です。
計画は電源開発により、ここに作られるのは「フルMOX」といい、MOX燃料を全炉心に装荷できる原発です。きわめて危険で、反対運動がずっとありました。新潟の柏崎でも、佐藤栄佐久知事もずっと反対して、知事をおろされましたが、三分の1とか。「フルMOX」は大間原発だけ。
大間原発をやめる理由というのは、ここ「あさこはうす」で小笠原さんが畑をやり主張してきたことです。
この原発は、当初安全な場所にということで設計されましたが「あさこはうす」の活動で買収できず、200メートルほど原発を引っ越ししました。
原発から200メートルくらいのところに「あさこはうす」はあります。ふつう民家は500メートルは離れています。そういう異常な形で原発があるわけです。
お金を積もうが、ガンとして首を縦に降らず、日本ではめずらしい例です。とにかく、ひとりの女性が徹底的に原発に反対してきた。原発の敷地内に家があって、太陽光と風力の自然ネネルギーで暮らして、原発と向かい合って、隣り合って抵抗している。

そういう姿を伝えていただきたいし、伝えることによって、原発と行政のもっとも弱いところが明らかになると思います」

小笠原厚子氏「大間原発は、3月11日の事故後、建設はされていません。
なぜ母が反対してきたのかというと、海と自然があれば、人間はいきていける、いやなものはいやだということです。私もそう思います。母の意志を継いで、小さな太陽光と風力発電でやっています。電力会社に頼っていません。天候の問題で1日まかなうのは難しいこともあります。なので、いま、水力発電をやろうと思っています」


<質疑応答の一部>

たった一家族の反対活動に対して、
311後、周囲の人々の理解はかわりましたか?


小笠原氏「いままで口もきいてくれなかったし、しらっとした態度も多かったが、事故後は挨拶をしてくれたり、がんばれよという挨拶をしてくれる方が何名がいました。5名くらいです」

鎌田氏「原発ができると、町民は固定資産税もはいるし、地域で承諾するとお金がでるようになっているが、それはきわめて不安定。あいつが反対するから進まないという人がいる中で反対している。町長なども説得にくる状況。
畑にいく通路だけは保証しなくてはならないからあるが、1キロにもなる道を通っていかなくてはならない。あさこはうすに行くだけの道をパトロールしています。威圧、脅しです。
一般的に、原発は入る車をチェックする。前と後ろに車止めをおいて、通行証を確認する。昔、東ドイツから西ドイツに行くようなもの。いま、大間原発がそういう警備をしている。本州最北端の人目につかないところで、抵抗している人がいるということを知ってほしい」

暴力的な地上げはあったか?

鎌田氏「暴力的なことはなかった。金を積み、具体的な問題に対して会議を開いて、漁業組合が漁業権を放棄するようにしむけたり、ということを具体的に行えばよかったから、肉体的な暴力はない。人の意志を踏みにじることではある。それが原発の地上げ。
原発は創業すれば、地元の雇用はないから、原発はやっぱり危険だと言うことで、漁師は海のことに敏感で、反対されることがあるので、少しずつ交渉していく」

社会的な側面ばかり議論されている。
経済的、産業的な側面の問題はどう考えるのか?


鎌田氏「原発が止まったら産業がダメになる、原発が止まると企業が逃げてしまうとは、よくある議論。全原発54基のうち、現在10基しか動いていなくても、電力は間に合い、これから点検に入っても需給バランスに支障はない。
また、原発輸出産業にして、日本を発展させようという議論があるが、相手に危険を売りつけてバーターで儲けようというのはモラルの問題になっていて、経済の問題ではない。経済の問題は別に考えないといけない。まず、原発は危険であるから止めて、そのあと経済をどうするかと議論しなくてはならない。
「原発反対と言ったって、将来困るぞ」と言いうのを「抑止力」と言っています。抑止力としての核爆弾が必要、犯罪防止のため死刑は必要だ、とか。一番極端な条件を出しておいて、水戸黄門のように黙らせるのは論理的でないと思いますが、どうでしょうか」

小笠原氏「わたしは一番考えるのは日本の国という問題。アメリカ、ロシアは大国だが、日本は地震大国。日本に今回のような事故が起こる危険は必ずある。日本の経済は、原発ありきで原発に依存しすぎている。ほかの方法でもできるのではないか?という議論があっていいと思う。日本独自の方法ができると思います」

鎌田氏「追加ですが、この反対する論理を認めるかどうか。なぜ反対するかというと、「海と畑があれば生きていけるから」ということだが、彼女は、原発に依存していくのではなく、海と畑で生きていきたいということを言っている。作りたいなら、他の地域でつくればいい。農業と漁業で生活していきたいという事は、否定できない。それでは国が発展しないぞというのは、ちがう。人間は、人間としての理想で生きていく、それを主張するのがジャーナリズムであると思う」


自然エネルギー、あたらしい技術ということを考えていますか?

小笠原氏「蓄電という形でいろいろ進めていると思います。日本人はスマートな国民ですので、個人の家でスマートな蓄電ができると思う」


311後、何人か挨拶してくれるとのことですが、
子供の頃からの街の雰囲気は変わりましたか?


小笠原氏「わたしの子供のころは、うちは田舎だから家に鍵はかけなかった。近所は農家や漁業だから、誰もいないのに、夕方になると、台所に魚や野菜がおいてあったりする。原発がきてから、そういうことが破壊された。地域の今まで培ってきた営みを破壊された」

鎌田氏「原発の工事がおわっても、地域の風景はかわらないんです。工事の作業員はそこに住まず、地域の住民がのこっているから風景は変わらない。地域の中で、反対派や賛成派にわかれたり、家庭の中に賛成派と反対派ができたりする。
定住する人は、畑をやっていたり、漁民であって、そこに住み、仕事をしている。作業員はよそからきて、作業が終わると帰っていく。
それを、以前、魚や野菜をわけてくれたのは、地域の中の人が出稼ぎに行ってしまったというのがあるのかもしれない。原発があるから、地元にいることができる、ということもある。そういうふうに追い込んでおいて、出口を原発依存だけにするようなことを政治がしていいのか。「お前ら工事がなくなったら食えないから、工事の仕事に着け」というのは暴力的です。
もしくは、危険な点検などの作業に地元の人を使うと、地元でがんになったりするから、今は遠くから連れてきている。地域は変わっていない。風景も変わらない。4階建ての家は工事の人が住むためにはできるが、風景が近代化したりはしないんです」


着工予定は来年だが、実際はもう着工している?

鎌田氏「原発は申請して設置許可が降りてから着工するのが原則。それが法律。しかし、設置許可が降りるまえから、準備工事という名目で経産省が許可する。福島県知事の佐藤栄作さんは、泥棒と警察が一緒だといったが、監督機関が役割を果たしていない。チェックをしない安全保安院、発電と送電の全部を電力会社が持っている。これは独占禁止法に触れる。マスコミもほとんどチェックしなかった。311以降は少しずつチェックするようになったが、存在を問われて来ている」


311以降の選挙戦は反原発派より原発推進派のほうが勝っていますが。

小笠原氏「実際に賛成派が多いが、すぐイエスノーではなく、長い時間をかけてやっていいと思う。長いスパンで考えて、10年後にこうしよう。現時点では賛成派が多いですが、何年後にまた福島のような事故がおきた時に賛成といっていられないと思う」

鎌田氏「僕は10年20年と考えていない。5年とか、数年で決着つけないといけないと思っている。原発は国民の8割がノーです。反原発に関して、どう政治的に結集するかというのが問題になっている。
地域では、ご存知のように反対派が負けている。大間でも賛成派というか、前の議員が入っている。前の地域がそのままだから。反対派の候補者を作り出していないから。反対派候補を擁立できない地域は、反対運動が始まっていなかった。いま、脱原発の運動を強めていて、そこから候補を出す時間がかかるだけ。どう候補をつくっていくかという課題がある。どう選挙に結びつけていくかということだけ。世論はいま脱原発です」

今の鎌田さんの発言に関連して、下北半島だけでなく、そういった反対はあったが、住民が疲弊して、原発のことをいうのはタブーになっている。ここからのスタートで、再度、反原発運動をどう作っていくのか、お考えをお聞かせいただけますか?

鎌田氏「政治観点を打ち出す人がいないといけない。それはどういう主体が脱原発の候補を出していくかが問われる。社民党も共産党も考えているでしょうし、みんなの党もそうですかね。これからの選挙はそれが論点になっていくから、そうしたことを明確化する。そんなことは効果がないといっても、できることしかできない。
12月10日は渋谷で1000万署名運動をやる、2月11日も、東京と原発のある地域での一斉集会をやる。福島の郡山でも、渋谷でも1000万署名の集約集会をやる。
いま署名は200万くらいしか集まっていないので、あと800万で、1000万で政府要求するということを考えている。脱原発のためにやれることをやっていこうと。これは、子供でもできる。字を書ける人ができます。脱原発一致のために、悲観的に考えずに、楽観的にやっていく」

小笠原氏「国民投票がある。原発事故では、大人も子供もイエス、ノーの意見を言えたらいい。原発に対して一人ひとりが意見を言える国民投票があるといいなと思う」

鎌田氏「あさこはうすは、いま来る人が多くなって、あさこはうすの前で集会することも増えている。いままでは労働組合中心で、そこが引っ張っちゃうから組合に任せっきりになっていたが、いまは政党とか労働組合に任せている時代ではない。自分たちでやらなくてはならない。311以降、変わってきている所を書いたり、報道したりしてほしい」

電源開発の電気は東京に来る、原発で地域のきずなが断ち切られていたが、
東京に対しての憤りはありますか?


もっているとか消えたではなく、個人と仕事上のことがあると思う。個人は原発きらいだけど会社にではという立場がある。
だけれども、これからが問題なんですよ。私たちが安心して生活できるようにするにはどうしたらいいか。安心と安全はちがい。安全は必ず不安の1がある。安心は気持ちの問題。もともと会社は、風力、火力、水力でやっている。電源開発も原点にもどってやってほしい。
憎しみはあるが、これからなんです。今回の福島の事故をうけて考えていかなければならないと思っています」


今日は小笠原厚子さんがはるばる青森から来られるということで、ぜひお目にかかりたかった。わたしの状況で記者会見に行けなかったが、いつか、あさ子さん、厚子さんが大切に守っているすばらしい大間町の畑に、海に訪ねてみたい。
# by sasanoel | 2011-11-25 20:07 | 原発・エネルギー | Trackback | Comments(0)
グリーンピースジャパンが、水産物の放射能測定・推進活動報告〜「お魚スーパーマーケットランキング」〜
東日本大震災で東電福島第一原子力発電所から大量の高濃度汚染水が流れ出た影響で、東日本の太平洋沖で採れた魚介類から高濃度の放射性物質(ヨウ素、セシウム等)が検出された。
世界一魚を食べる日本人にとって、水産物の放射能汚染がさらに大きく、身近な問題となっている。

日本政府は、事故後の暫定基準値を1kgあたりセシウム500ベクレルとしているが、ウクライナでは150ベクレル。魚介類の消費量を比べると、日本政府の暫定基準値は、高い。

放射能汚染はしきい値がない。妊婦や小さな子供をもつ人々は、10ベクレル、20ベクレルが心配だし、高齢者は低濃度汚染は気にしないという。

11月24日、自由報道協会の主催によりグリーンピースジャパンの取り組みに関する記者会見が行なわれた。スピーカーとして事務局長・佐藤潤一氏とキャンペーンマネージャー/海洋生態系担当・花岡和佳男氏が招かれ、会場にはフリージャーナリストを中心に約20〜30名が参加した。

「お魚スーパーマーケットランキング」を実施
5月上旬、国際環境NGOグリーンピースジャパンは日本政府に対し海洋調査を要請したが、断わられた経緯をうけて、独自の海洋調査を行なってきた。
また、日本の魚介類の60%が購入されているスーパーマーケットで、多種・広範囲の魚介類から放射性物質が検出された。そこで、大手5社(イオン、イトーヨーカドー、ダイエー、ユニー、西友)を対象に、「お魚スーパーマーケットランキング」を呼びかけ、実施した。
売り場では、測定情報を公表し、消費者が自分の基準で選べるようにすることで風評被害を改善、売り上げを回復できる。グリーンピースの主導で、業界全体の意識・売り上げ改善に向けたメスがはいった。

測定ニーズは「漁業者・消費者」両方から
ランキング調査にあたっては、漁師さん、消費者の両方の立場から考えた。測定して欲しいということは、漁師さん側から言われた。「(実際のベクレル値を)知ってこそ、初めて魚を売る事ができる」と。
現在、被災地では漁を自粛している。放射性物質のスクリーニング機能がないからだ。安全な魚とそうでない魚を測り分けることができない。実態のわからない風評被害で魚が売れない状態が続いている。漁民、漁協が政府にスクリーニングを求めていた。
しかし政府の動きはつねに遅い。グリーンピースは、もっとも速く対応できるとして、売り場(スーパーマーケット)に目をつけた。

以下の要請と対話をすすめることにより、風評と買い控えが解け、魚が売れるようになるはずだ。グリーンピースが対話の仲介にはいることで、漁協・漁師さん、消費者、スーパーマーケットの利益をむすび、水産物業界全体の回復を目指す。

<要請>
・放射能検査をし、結果をしっかりと消費者に伝える。
・政府の暫定基準値にとらわれず、独自に数値を定めて、公表する。
・産地表示を「水揚げ港名」「太平洋」等ではなく海域を表示する。


<ランキング評価の基準>
1)仕入れ基準:調達方針をもっているか
2)販売基準:汚染されているものが売られていないかのチェックの機能があるか
3)放射能測定体制:自社で放射能を測定する体制があるかどうか
4)消費者への情報提供:具体的な魚介類商品のベクレル値表示
5)政府への働きかけが行なわれているか


報告までの改善期間をもうけ、第1回目の締め切りを10月14日、第2回目の締め切りを11月11日とした。あらたな締め切りのたびに改善が報告された。例えば、11月20日イオンは、漁獲海域表示を行うと報告があった。
期間中グリーンピースでは、抜き打ち検査を行なうほか、対象5社への報告結果のフィードバックを行なった。

結果:グリーンピースジャパン「お魚スーパーマーケット」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/campaign/ocean/seafood/seafood1/

会場からの質問

5社をえらんだ理由は?
花岡氏「日本の消費者の60%が魚介類をスーパーマーケットで購入しており、その売り場で汚染した鮮魚がが広く流通してしまっていていることを問題視したため。生協など独自の基準を決めているようなところもあり評価できる。政府もそのような動きに早く対応してほしい」

調査品目を鮮魚から水産加工品に広げる予定は?
花岡氏「加工品については、第2回の調査結果で北海道のさばの水煮の缶詰から4.6ベクレルという数字がでています。缶詰のようなもは原料がわからない。その必要性を感じて、現在サンプリング中で、12月に調査発表の予定」

イオンと西友の意識の温度差をどう考えているか?
花岡氏「5社と対話したが、イオンは取扱量が世界最大規模という自負があり、姿勢が違うと思いました。数値を早く公開したいと言っていた。スーパー間の横並びはあるとも。消費者の声に答え、それをビジネスチャンスにするというをイオンはしていると感じる」

今後日本近海のクジラについてはどう見ていくのか?
花岡氏「海洋汚染で問題にされるのが生体濃縮。大きな魚に汚染がひろがっているということを考えると、クジラ、イルカに広がっていくと思う。水産庁でも調べているが、それを参考にしながら調査したいと思う」

調査範囲の拡大、北海道、関西については?
花岡氏「ユニーの北海道産のマダラで、今回もっとも多い44.3ベクレル(セシウム)を検出。しかし地元北海道では、水産物に放射能汚染があるという認識がない。北海道の漁業関係者からのリアクションはいまのところない。
関西での調査が必要と感じている。水産加工品の調査とともに12月中には発表できる。
イクラとか白子については調査します。それで高濃度が出た場合も、すべて公開します。海外への発信ももちろんします」

会見は最後に、以下のように述べて締めくくられた。
花岡氏「一人一人の市民の声が、業界を変えいける。その流れを作り、政府を変えたい。簡単に参加できる、ひとつの例だと思う」

佐藤氏「忘れてはならないのは、イオンや漁師のみなさんは全員被害者。東京電力がすべての加害者。被害者どうしがいかに良い社会のためのこのような活動を起こしても、原発事故を起こした東京電力の責任を追求しなければ、また事故が起きるでしょう」

参考:グリーンピースジャパン
http://www.greenpeace.org/japan/ja/
※「お魚スーパーマーケット」緊急オンライン署名募集中(11月28日〆切)

参考;イオンお客様サイト
http://www.aeon.jp/information/radioactivity/

※記者会見の映像(You Tube)
「2011年11月24日 グリンピース「お魚スーパーマーケット・ランキング」会見」
http://www.youtube.com/watch?v=SNLnFFd6Tb0
# by sasanoel | 2011-11-25 04:23 | 東京 | Trackback | Comments(0)
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