石巻の反原発家・日下郁郎さんの写真展
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2011年の福島原発災害をうけて、2012年の始まりに緊急開催された「脱原発世界会議 2012 YOKOHAMA」は、1万1500人の来場者、20カ国から50名のゲストを迎え、国内外の市民活動による思い思いのもちこみ企画が100団体から披露され会場を埋め尽くしたていた。また国内約140社・海外約40社のメディアが取材した。
事前の情報はホームページ、メーリングリスト、ツイッターなどのソーシャルメディアを使って行われ、会議の中継は横浜市民放送局、OurPlanetTVなど、市民メディアが担った。

弁護士の河合裕行さんは、15日のメインホールでの原子力資料情報室主催の集会で次のように訴えていた。
「これまでの日本の54基の全国の原発に関して、再度、全て差し止め訴訟を起こしてください。311以降は、原告がいっていたことが本当になった、真剣にむきあおうと裁判官が真剣に話をきいています。
世界平均の100倍の率で地震が発生する日本は、原発を止めたドイツに比べ原発の危険性も100倍。CO2と放射能とどっちが嫌か、考えてみて欲しい。「脱原発依存」しながらゆっくり自然エネルギー社会をめざすなんて優調なことではダメです。明日事故おきたらどうしますか? 浜岡が再稼働して、東海地震おきたらどうしますか? 日本の原発はいま止めるべきだ」

震源により近い、女川原発周辺の市民活動を知る写真展
当然のことながらフクシマ一色のイベントだが、311の震源に近い女川原発がどうなったのか、そして女川原発を擁する石巻・女川の反原発の市民は、何を言おうとしているのかに目をむけてみることは、原発問題の全体をみるとき重要な視点だと思う。

福島の事故で電源喪失や放射能漏れ、メルトダウンといった深刻な事態を招いた、震災直後の原因が津波によるのか地震によるのかの議論があるが、いずれも過去の原発裁判で指摘され、何度も想定されていた備えを怠ったための人災であることは間違いない。どれだけ電源喪失に備えても、高い堤防を築いても、それを上回る災害はいつ起こるかもしれない。
「女川は無事だった」という報道のみなされたが、それが印象づいてしまうことはこれからの防災を考えるとき、とても危険な感覚として残ってしまう。実際は、港から400メートルのところにあった県原子力センターも、国の災害対策施設(オフサイトセンター)も、そして放射線量を観測するために牡鹿半島全域にいくつも設置されていたモニタリングステーションも流され、使用できなくなっていた。多くの原発システムが機能しなくなり、事故から1年が過ぎようと言う現在もそのままだ。

石巻に住む反原発の活動家・日下郁郎さんの自宅は被害をまぬがれたが、地震による津波で漁村や港に近いところに住む親戚を4人もなくしていた。
女川原発建設反対の原告団として裁判に負けてからも、防災計画の策定に関わり、原発に反対する活動を続けて来た。日下さんが伝える写真展がメインホール入り口付近の小さなスペースで行われた。

展示された写真は、311後に自転車で女川へ行き、震源に最も近いところにある原発施設の津波被害の状況をはじめ、津波に傷つけられた街や浜々、人々のいとなみの多くが流された記録である。

忘れたいこと、受け入れがたい風景に背をむけず、メディアが伝えなかったこと、覚えておかなくてはならないことを伝えようと、撮っていた写真をようやく見つめ直しての被災地からの大切なメッセージだった。

東日本大震災後はじめての脱原発の国際会議の主役はフクシマだったが、地震・津波について考えるとき、やはり忘れてはいけない視点だろうと思われる。311後、震源に近い女川原発が真っ先に心配されたように、日本の多くの沿海の地にある反原発活動として、日下さんたち石巻・女川の人々の津波による被害は、これからも伝えていかなくてはならないと思った。


写真:写真展「3.11の津波で崩壊した女川原発の放射能・放射線監視システム」を企画した原子力発電を考える石巻市民の会の人々。中央・日下郁郎さん、左・近藤武文さん
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by sasanoel | 2012-01-19 13:54 | 横浜
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