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パラトライアスロン日本代表初遠征、ロンドンへ!

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2013年9月13日、セントラルロンドンにあるハイドパークで、WTS世界トライアスロン選手権シリーズ・グランドファイナル・パラトライアスロンの部が行なわれ、日本から障害のあるトライアスリート11名が初めて出場しました。リオパラリンピックにむけた、パラトライアスロン初の日本代表です。

長い距離を完走するイメージのあるトライアスロンですが、実際にはさまざまな距離があります。オリンピックディスタンスや、その半分のスプリントディスタンス。これらは、オリンピックでのエリート選手の競技を観戦するために調整された距離で、完走はあたりまえ、ゴールまでの得意、不得意を乗り越えて、やはりタイムを競い合うスポーツだと思います。
スプリント(スイム750m、バイク20km、ラン5m/今回バイクは22.5km)になるパラトライアスロンは、オリンピックに準じるパラリンピック・スポーツですから、実際は、究極の競争のスポーツ、厳しいですが、完走は当たり前で勝ちを目指すタイムレースと思われます。

以下のように言えると思います。
・パラトライアスロンは、オリンピックに準じるパラリンピック・スポーツ。
・完走できることが競技参加の条件となる。
・ハンドラーへの指示もふくめ選手がレースの全行程に責任を持ち、合計タイムを競いあう。(ここが、TRI6のガイドとハンドラーの違いといえるのかも)
・不得意の中には障害により速く前に進むことが難しいことがある。
・得意の中にはパラリンピックの専門種目を生かす選手もいて、弱み、強みを曝け出しあう、究極の競争スポーツ。
・パラトライアスロン以外のパラ部門には、さまざまな距離や目標があっていい。
 →それには競技運営の技術の向上が必要。そこに、日本のトライアスロンが取り組む事が、日本にも、トライアスロン始まって以来の想い、誰にでも挑戦の機会を与える努力につながります。

新しい種目で、クラス分けやルールの調整もこれからですが、競技者数は少ないながらも毎年倍増してきましたし、ロンドンへ日本代表が出場した翌年のWTS横浜(来年5月)には、さらに多くの選手がエントリーし、本格的なレースが行なわれることと思います。

いずれにせよ、そのパラトライアスロンに魅力を感じる障害者がいて、その挑戦に、最高峰につながる道のりがつくられたことは、パラリンピック・スポーツファンには嬉しいことです。

<障害者のトライアスロン>
トライアスロンは1980年代に発展した新しいスポーツで、欧米では、障害者の差別をしない挑戦の場を開いてきました。「トライアスロンへの挑戦は誰でもできる」、という運営スタッフの意気込みは、今回のロンドンに参加した日本のスタッフにも感じることができました。
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実際に、重度の障害を追った息子とアイアンマンに出場する親子、チームホイトの挑戦などが、YouTubeで流れていて、多くの人に知られています。
もちろん、そこまで重度でなくとも、障害をもって出場するには多くの努力を要するには違いありません。だけど、健常な人より明らかにハンディが多く出場し、完走を目指すこと、競争に勝つことは、選手にとってだけでなく、多くの人々に夢と勇気をもたらしてくれます。

<パラトライアスロン>
1960年のパラリンピック、ローマ大会からオリンピックと同じ会場でパラリンピックが行なわれ、日本では64年に東京パラリンピックが開催され(このとき初めて「パラリンピック」の名称が使われた)、障害者の競技スポーツの存在が世界中で知られるようになりました。
トライアスロンはそれより10年以上あとの、1970年代に発明され、80年代に発展。オリンピックに参加したのは2000年のシドニー大会からで、歴史あるスポーツのベースの上に、究極の競いあいを目指す競技の性格が多くの人を魅了し、急速に競技人口を増やしてきています。
そして、シドニーから16年となる2016年のリオデジャネイロで、パラリンピックの種目として「パラトライアスロン」が決まり、ITU(国際トライアスロン連合)がIPC(国際パラリンピック委員会)に加盟して、競技の準備をすすめているところです。
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<課題>
パラリンピックのスポーツはクラス分けのスポーツと言えますが、新たに登場した「パラトライアスロン」にもさまざまな障害の選手がいます。
現在パラトライアスロンのクラスは7つに分けられていますが、障害の程度や状態により公平性を欠くため、このままだと、いずれ不利にわけられた選手や参加国からもクレームを多発させる可能性があります。
今後、どのような形で解決していくのか、究極の競争のスポーツ、パラトライアスロンの挑戦を楽しむために・・・
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さて、そんな日本代表チームの活躍を追って、ロンドンへ行ってきました。その心は、チーム・カメラマン!
ハレ女の私は、昨年のロンドンパラリンピックでは、ロンドンにはめずらしい好天続きをもたらすことができました(?)が、今回は、なぜか、威力が衰えてしまいました。雲りのち雨。これが本来のロンドンとのことです。気温18度、水温15度。しかし、そんな中でも行なわれるのが、トライアスロンのレースでした。勇気ある選手の素晴らしい挑戦の場に立ち会えたことに感謝しています。どうもありがとうございました。
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by sasanoel | 2013-09-21 11:01 | トライアスロン