福島・飯舘村村民による記者会見、東京で
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8月26日、自由報道協会(東京・上杉隆代表)の主催による、福島、飯舘村の人々による記者会見があることを知り、とにかく行ってみた。最近は電話もしていない、いわきの知人家族のことを思いながら、村民の声を聞いた。

この記者会見は、以下USTREAMに一部始終が収録されているので、ぜひ飯館村の村民の声を聞いてほしい。

110826 「負げねど飯舘」記者会見【主催:FPAJ・自由報道協会】
http://www.ustream.tv/recorded/16879722

<要望書提出の経緯>
震災後の3月15日から20日前後、飯舘村で福島第一原子力発電所の事故による放射性プルーム(放射性雲)による高濃度の被ばくがあった。この対処として、ホールボディカウントによる検査を要請をしたが、責任をもって対応する存在もないまま、村の人々は放射性プルームの中で日常生活を続けてしまった。

飯館村は、放射線量が年間積算20ミリシーベルトに達する怖れのある「計画的避難区域」に指定され、村民や飯舘村に避難してきた人々は、村外へ避難することになった。

村の人々はいま、子供たちも含めて高濃度被ばくをしてしまったという自覚がある。現段階で、被ばくによる健康被害は起こっていないが、何年か経って、症状がでる子供だけでなく、出ない子供にも不安など、精神的影響を与えるだろうと予測ができる。

愛する飯舘村を還せプロジェクト「負げねど飯館!!」』は、佐藤健太さん、愛澤卓見さんほかの飯舘村村民の交流から活動が生まれた。8月25日づけで、文部科学大臣、原子力損害賠償紛争審査会、文科省研究開発局あてに『「放射線被爆による損害」への適切な判定指針の策定に関する要望書』を提出した。

高濃度汚染による被ばく、健康被害に関する詳しい状況を明らかにするために、愛澤さんたちは、被ばく直後にホールボディカウンターでの検査を要望していたが、かなえられたのは、被ばくから随分あとになってからで「今さら」という時期になってからだった。
安定ヨウ素剤は村まで来ていたが、どう飲んだらいいかなどの指導はなかった。
3月25日に、「この程度なら心配ない」というリスク管理アドバイザーが来るまで、政府や東電からのフォローはなかった。後から考えてみると、その場しのぎでしかなかった。

提出された要望書は、目に見えないが、確実に身体を蝕んでいく放射能の危機にさらされた福島の、飯舘村の人々の命や未来を、誰がどうサポートできるのかを問うものだった。
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現在、村民は、福島市などに避難しながら、市役所の仕事や動物の世話などで、いまも約100名が村内に留まっている。
村民にとって、飯館は、美しい、何ものにも代え難い故郷だ。除染をして住めるならいいが、山が除染できるのか?子供たちが住んでもいいと思うか?などの疑問が拭えない。帰りたい、という気持ちはあっても、「子供が住むにはどうなんだろう?」と、誰もが悩んでいる。

福島県産を食べて応援になるのか?

この問いについて、愛澤さんがふれ、記者会見を締めくくる回答となった。
ここでも愛澤さんは、「私がいうのは全体の意見ではないが」とした上でづぎのように語った。以下、愛澤さんの言葉を紹介する。

私の周囲も、スーパーで福島県産の野菜を手に取りません。絶対食べないとかではありませんが、私たちはもう十分被爆してしまったと思いますので、これ以上食べたくないなというのが正直なところです。
テレビでは『福島県産の野菜を食べて復興!』というのがよく出ます。
わたしは、駅とか、フェアみたいなところで、検査したものがでて福島県産の野菜が安全ですよ、と売られていると思っていました。しかし、東京から来た人の話では、関東圏内のスーパーでは、ふつうに福島県産が出回っていて、とても安いですよ。という話をきいた。実際、会津のほうとかベクレルが低い野菜もあります。風評被害だと思う美味しい野菜もたくさんあります。そういうのはぜひ買って食べていただきたい。ですが、安くなっているということは、農家の人々は相当な値段で買い叩かれているということです。それでも、作った野菜が市場にでていることは、ありがたい。
ただ、これを食べることが復興だとか、逆に、食べないというのは何事か、というのは、それは何か違うんじゃないのかなと思います。
来ていただいて(子供がいる人は連れてこないでください)、買い付けていただくのはありがたいと思います。しかし、安くなっている野菜を食べて、それで復興だというのは違うと思います。
食べる事=復興支援、食べるのが正しい。食べないのがおかしいということではないと思います。
安全な有機フルーツを食べてもらおうと頑張っている人もいるので、協力してもらいたいと思います。

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復興とは・・

「復興」とはなんでしょうか。空間線量が高いところでも、我慢して頑張って生活する事でしょうか。我慢したい人が我慢して、生活できれば復興なんですけれども、福島の人間は被害者、その被害者に特攻隊になって頑張ってくれと言われているような感じも正直うけます。頑張りたい人に頑張れるような状況をつくってください。頑張れない人には、疲れた人には、手を差し伸べて助けてほしい。

もしかしたら、飯館へは帰れないということもあるかもしれません。みんな出て行くということになるかもしれません。そういうときに、飯館にいた子供たちが行った先で、飯舘村出身で、それはいいところに住んでいたと。そこでがんばってくれれば、それが、復興の最低ラインじゃないかと思います。

飯館にいたこどもたちが頑張れる状況をつくってほしい。病気にだってなりますし、事故もあります。生きている間は胸を張って、やりたいことをやれる。頑張れる。そのために支援してほしい。それが復興ということばの最低ラインと思います。

復興ということばを使うのであれば、この問題を解決してください。問題解決を考えずに復興という言葉を使うことに僕は異論があります。復興とは何かということを考えてほしいと思います。


記者会見が終わった。
自由報道協会の記者会見は、報道目的であれば、誰もが参加できる。プロ、アマチュア、マスメディア、ミニメディア、フリーランス、ブロガーなど、多様な人々だった。参加者の中には小学生もいた。

それから、この会場でもう10年も前に、デザイン事務所時代にお世話になったライターの加来さんに再会することができた。隔月のこども新聞を全国の小中学校に発行している。反核、反原発の貴重な情報発信者でもある。嬉しい再会だった。

【写真について】
1点目・左から、佐藤健太さん、愛澤さん、鈴木さん
2点目・会場に集まった人々の中には、子供もいた。
3点目・1点目の写真におなじ
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by sasanoel | 2011-08-27 05:44 | 記者会見から
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被災者も非被災者もともに平和で楽しく暮らせる社会をめざして。2011.03.11 ご連絡、記事についてのお問い合わせ、取材依頼は筆者までメールで。sasanoel@gmail.com
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