ガイガーカウンターの使い方初心者講座
2011年 08月 29日
チェルノブイリ取材で有名な写真家・広河隆一さんの企画で、初心者向け講座のため、会場には70名近くの老若男女が訪れていた。
福島第一原発の事故で放出された放射能がどれくらいのものなのか、高濃度の汚染地帯と思われる被災地は大丈夫なのかと心配する一方で、東京や横浜ではどうなのか、何が計れて、計れないのか。関心は高まっている。
この機器の日本での取り扱いをしている株式会社アドヒューテック社より、放射能や測定の基本事項、計り方の説明などが行われ、その後、5名1組のグルーブに1つのガイガーカウンターが渡され、それぞれ赤レンガ倉庫周辺の観光地で1時間程度、4〜5カ所の線量調査を行った。
測定に使われた放射能測定器は、チェルノブイリから避難してきた人がたくさん住んでいるベラルーシ製のポータブルガイガーカウンターAT6130Cを使用した。このガイガーカウンターではガンマ線を計る。
たまたま、私の参加したグループに、RADEX社製のβ線を計るマイ・ガイガーカウンターを持っている人がいて、同時に計測できたことはラッキーだった。
計り方は、10センチと1メートルのところに印をつけた棒で、地表からの定位置をきめ、スイッチをいれた線量計の値が安定するまで待つという簡単なもの。この時、測定に異常がおきたり、線量が高すぎる場合は警告が鳴る。
赤レンガ倉庫周辺の放射線量は、以下のとおり。
8月28日、正午から1時間以内。地面から10センチと1メートルの高さで測定。
<AT6130C γ線>
◇1回目:2号館裏の芝生
10センチ=0.14μSv/h、1メートル=0.09μSv/h
◇2回目:2号館裏岸壁(石畳)
10センチ=0.1μSv/h、1メートル=0.09μSv/h
◇3回目:2号館裏回廊(コンクリート)
10センチ=0.1μSv/h、1メートル=0.06μSv/h
◇4回目:2号館裏木の脇
10センチ=0.09μSv/h、1メートル=0.07μSv/h
<RADEX β線>
◇1回目:2号館裏の芝生
10センチ=0.21μSv/h、1メートル=0.16μSv/h
◇2回目: 2号館裏岸壁(石畳)
10センチ=0.12μSv/h、1メートル=0.13μSv/h
◇3回目:2号館裏回廊(コンクリート)
10センチ=0.14μSv/h、1メートル=0.12μSv/h
◇4回目:2号館裏木の脇
10センチ=0.16μSv/h、1メートル=0.10μSv/h
以上が測定結果。
測定を終えて会場に戻ると、他のグループの参加者が質問を寄せていた。
私のいたグループは、線量計のスイッチを測定ごとにオフにして再起動していたため、他のグループより測定に時間がかかってしまったようだ。どうやらその必要はなかったようだ。
最後に、「内部被爆を測る機械はないのでしょうか?」との質問があった。
線量計は、放射性物質を計り、被ばくは測定できないとのことだ。ホールボディカウンターなどの機器でも、体内の放射性物質の量は測れるが、被ばくは測定できないという。体内に放射性物質があるということは、被ばくではないのか?このことについては、感染と感染症みたいなことなのだろうか。また、わからなくなって、時間切れとなった。
by sasanoel
| 2011-08-29 14:19
| 横浜