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グリーンピースジャパンが、水産物の放射能測定・推進活動報告〜「お魚スーパーマーケットランキング」〜

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東日本大震災で東電福島第一原子力発電所から大量の高濃度汚染水が流れ出た影響で、東日本の太平洋沖で採れた魚介類から高濃度の放射性物質(ヨウ素、セシウム等)が検出された。
世界一魚を食べる日本人にとって、水産物の放射能汚染がさらに大きく、身近な問題となっている。

日本政府は、事故後の暫定基準値を1kgあたりセシウム500ベクレルとしているが、ウクライナでは150ベクレル。魚介類の消費量を比べると、日本政府の暫定基準値は、高い。

放射能汚染はしきい値がない。妊婦や小さな子供をもつ人々は、10ベクレル、20ベクレルが心配だし、高齢者は低濃度汚染は気にしないという。

11月24日、自由報道協会の主催によりグリーンピースジャパンの取り組みに関する記者会見が行なわれた。スピーカーとして事務局長・佐藤潤一氏とキャンペーンマネージャー/海洋生態系担当・花岡和佳男氏が招かれ、会場にはフリージャーナリストを中心に約20〜30名が参加した。

「お魚スーパーマーケットランキング」を実施
5月上旬、国際環境NGOグリーンピースジャパンは日本政府に対し海洋調査を要請したが、断わられた経緯をうけて、独自の海洋調査を行なってきた。
また、日本の魚介類の60%が購入されているスーパーマーケットで、多種・広範囲の魚介類から放射性物質が検出された。そこで、大手5社(イオン、イトーヨーカドー、ダイエー、ユニー、西友)を対象に、「お魚スーパーマーケットランキング」を呼びかけ、実施した。
売り場では、測定情報を公表し、消費者が自分の基準で選べるようにすることで風評被害を改善、売り上げを回復できる。グリーンピースの主導で、業界全体の意識・売り上げ改善に向けたメスがはいった。
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測定ニーズは「漁業者・消費者」両方から
ランキング調査にあたっては、漁師さん、消費者の両方の立場から考えた。測定して欲しいということは、漁師さん側から言われた。「(実際のベクレル値を)知ってこそ、初めて魚を売る事ができる」と。
現在、被災地では漁を自粛している。放射性物質のスクリーニング機能がないからだ。安全な魚とそうでない魚を測り分けることができない。実態のわからない風評被害で魚が売れない状態が続いている。漁民、漁協が政府にスクリーニングを求めていた。
しかし政府の動きはつねに遅い。グリーンピースは、もっとも速く対応できるとして、売り場(スーパーマーケット)に目をつけた。

以下の要請と対話をすすめることにより、風評と買い控えが解け、魚が売れるようになるはずだ。グリーンピースが対話の仲介にはいることで、漁協・漁師さん、消費者、スーパーマーケットの利益をむすび、水産物業界全体の回復を目指す。

<要請>
・放射能検査をし、結果をしっかりと消費者に伝える。
・政府の暫定基準値にとらわれず、独自に数値を定めて、公表する。
・産地表示を「水揚げ港名」「太平洋」等ではなく海域を表示する。


<ランキング評価の基準>
1)仕入れ基準:調達方針をもっているか
2)販売基準:汚染されているものが売られていないかのチェックの機能があるか
3)放射能測定体制:自社で放射能を測定する体制があるかどうか
4)消費者への情報提供:具体的な魚介類商品のベクレル値表示
5)政府への働きかけが行なわれているか


報告までの改善期間をもうけ、第1回目の締め切りを10月14日、第2回目の締め切りを11月11日とした。あらたな締め切りのたびに改善が報告された。例えば、11月20日イオンは、漁獲海域表示を行うと報告があった。
期間中グリーンピースでは、抜き打ち検査を行なうほか、対象5社への報告結果のフィードバックを行なった。

結果:グリーンピースジャパン「お魚スーパーマーケット」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/campaign/ocean/seafood/seafood1/

会場からの質問

5社をえらんだ理由は?
花岡氏「日本の消費者の60%が魚介類をスーパーマーケットで購入しており、その売り場で汚染した鮮魚がが広く流通してしまっていていることを問題視したため。生協など独自の基準を決めているようなところもあり評価できる。政府もそのような動きに早く対応してほしい」

調査品目を鮮魚から水産加工品に広げる予定は?
花岡氏「加工品については、第2回の調査結果で北海道のさばの水煮の缶詰から4.6ベクレルという数字がでています。缶詰のようなもは原料がわからない。その必要性を感じて、現在サンプリング中で、12月に調査発表の予定」

イオンと西友の意識の温度差をどう考えているか?
花岡氏「5社と対話したが、イオンは取扱量が世界最大規模という自負があり、姿勢が違うと思いました。数値を早く公開したいと言っていた。スーパー間の横並びはあるとも。消費者の声に答え、それをビジネスチャンスにするというをイオンはしていると感じる」

今後日本近海のクジラについてはどう見ていくのか?
花岡氏「海洋汚染で問題にされるのが生体濃縮。大きな魚に汚染がひろがっているということを考えると、クジラ、イルカに広がっていくと思う。水産庁でも調べているが、それを参考にしながら調査したいと思う」

調査範囲の拡大、北海道、関西については?
花岡氏「ユニーの北海道産のマダラで、今回もっとも多い44.3ベクレル(セシウム)を検出。しかし地元北海道では、水産物に放射能汚染があるという認識がない。北海道の漁業関係者からのリアクションはいまのところない。
関西での調査が必要と感じている。水産加工品の調査とともに12月中には発表できる。
イクラとか白子については調査します。それで高濃度が出た場合も、すべて公開します。海外への発信ももちろんします」

会見は最後に、以下のように述べて締めくくられた。
花岡氏「一人一人の市民の声が、業界を変えいける。その流れを作り、政府を変えたい。簡単に参加できる、ひとつの例だと思う」

佐藤氏「忘れてはならないのは、イオンや漁師のみなさんは全員被害者。東京電力がすべての加害者。被害者どうしがいかに良い社会のためのこのような活動を起こしても、原発事故を起こした東京電力の責任を追求しなければ、また事故が起きるでしょう」

参考:グリーンピースジャパン
http://www.greenpeace.org/japan/ja/
※「お魚スーパーマーケット」緊急オンライン署名募集中(11月28日〆切)

参考;イオンお客様サイト
http://www.aeon.jp/information/radioactivity/

※記者会見の映像(You Tube)
「2011年11月24日 グリンピース「お魚スーパーマーケット・ランキング」会見」
http://www.youtube.com/watch?v=SNLnFFd6Tb0
by sasanoel | 2011-11-25 04:23 | 記者会見から